トワイライトの怠惰な図書室

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スターオーシャン3フェイマリ小説。
真夏の暑さも、実在している証。


「暑い…」
 鈴虫の音が鳴り響く闇夜。そう告げた言葉と共に、マリアは眠りから目覚めた。正確に言えば、押し寄せる猛暑の為、とても寝ていられないといったほうが良いかもしれない。

「まったく、なんて暑さなの…」
 額の汗を拭い、備え付けの水差しから乱暴に水を注ぐと、一気に飲み干した。同室のソフィアとスフレ、ミラージュを見ると、やはり暑さの為だろうか、寝苦しそうな寝息をあげていた。
「ふう… 窓でも開ければ、少しは涼しくなるかしら」
 そういって窓を開けると、少しだけ涼しい風が身体に心地よくながれてくる。空を見上げれば、満月の光と幾多の星々が空を飾っている。一時そんな夜空を眺めていたが、ふとバルコニーに視線を移すと、一人の少年が自分と同じように空を眺めていた。
「フェイト? いったいこんな時間に何をしているのかしら…」
 何となく興味を引かれ、マリアもまたバルコニーに足を向けた。

「暑いなぁ… こんなんじゃ寝れないよ」
 どうやらマリアと同じ理由らしい少年、フェイトは暑さから逃れるために、涼しそうなバルコニーで夕涼みをしていた。満天の星空と、幾分か涼しい風が心地よい。
「何してるの?」
 ふいに後ろから聞こえたその声に、振り向きはしない。その声は、誰よりも愛しい恋人の声だから。
「寝ていたら余りにも暑くてね、ここなら少しは涼しいかと思ってさ」
「あら、私と同じね。エアコンに慣れた身体に、この暑さは堪えるわ」
 そういって、マリアはフェイトの横に立つと、手に持っていたグラスを手渡す。グラスには、よく冷えてそうな白ワインが注がれていた。
「ありがとう。ちょうど喉が渇いてたし、少し飲まないと寝れそうもないよ」
「用意してきて良かったわ。乾杯」
「うん… 乾杯」
 そういって、バルコニーにグラスの触れあう音が響く。二人はしばらぐ美しい夜空を見ながら、ワインを楽しんでいたが、グラスの中身が無くなりかけたとき、ふいにフェイトの声が響いた。
「この暑さも、空に広がる星空も、そして君への想いも… 全部真実だよ」
「フェイト?」
 突然何を言い出すのかと思い、ふとフェイトに振り向くと、当の本人はバルコニーの目の前に広がる木々を眺めならが、フェイトは言葉をつなげる。
「創造主が喩え僕たちの世界を作ったのだとしても、いまあるこの世界は、僕たちにとって全て真実なんだ。決して、創造主達の戯れで作られた物じゃない。まして、君への想いは、絶対に創造主にプログラミングされたものじゃない」
 そこまで言うと、フェイトは自分を見つめた。その時のフェイトは、今までのどんなときよりもりりしく、輝いて見えた。マリアもまた、自然に微笑みが現れる。他の誰にも見せない、フェイトにだけ見せる微笑み。
「ええ。フェイトが私を愛してくれるその気持ちも、そして私が貴方にだけ抱くこの愛する気持ちは、絶対に作られた物じゃない。それだけは夢でも幻でも、プログラミングされたものでもないわ」
「マリア…」
 自分にだけ向けるその微笑みを見て、フェイトもまた嬉しそうに微笑むと、マリアの身体を優しく抱き締めた。マリアもまた、フェイトの胸に顔を寄せる。
「まだまだ戦いは続くかも知れない… だけど、君だけは僕が守る。何があっても」
「うん… 私も絶対貴方の側を離れない。何があっても」
 満月の光の下、二人の唇が静かに重なった。  
「愛してるよ、マリア」
「私もよ、フェイト」

 真夏の夜の夢。しかし、二人にとってその夢は、誰よりも愛する人との希望の夢。幾多の苦難が待ち受けようとも、その夢さえあれば、何時までも歩いていけると信じているから。
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2009.10.12 09:23 | 二次小説 | トラックバック(-) | コメント(-) |
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