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トワイライトの怠惰な図書室

ここは、トワイライトが書きつづった小説をメインに載せていくblogです。無断転用やお持ち帰り等は全て厳禁です!

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 ファイアーエムブレム聖魔の光石SS第9弾。新しき知恵者はかなり大胆?

昇格

 二人は一路、エフラム王子の部屋へ向かっていた。エフラム王子にどの叙勲を受けるか予め話しておかなくてはならないからだ。
「失礼します」
「いいぞ」
 簡素な返事で中にはいると、エフラム王子の他に、ゼト将軍もいた。
「聞いたぞカイル。お前もついに上級騎士の叙勲を賜ったそうだな。上級騎士になるということは、今以上の忠誠を求められる。頼むぞ」
「はっ!」
 ゼトの言葉に、背筋を正して礼を取る。ゼトも満足そうな表情でそれを見ていた。
「そしてルーテ殿も、高位魔術師の叙勲を受けられるとか」
「ありがとうございます」
「それで、二人はどの叙勲を受けるんだ?」
 エフラム王子は机に腰掛けながら、何気なく聞いてきた。
「私は重装騎士の称号を賜りたいとおもいます」
「ほぅ… てっきりゼトと同じ聖騎士かと思っていたけどな」
「聖騎士は既にゼト将軍がおりますので、私は重装騎士として、これからの戦いに望みたいと思います」
「解った。で、ルーテは?」
「私は賢者の称号を受けます。賢者になれば、今以上に優秀な私が活躍できると思いますので」
「なるほど、賢者か…解った。じゃあ、正午に礼拝堂で叙勲式を執り行う」
「解りました。では、失礼します」
 そういって、二人は部屋を後にした。そしてカイルの部屋へと戻ってきたルーテは、叙勲式のあらましを聞いてきた。
「叙勲式ではどういった事をするのですか?」
 賢者の称号を受けることになったとはいえ、叙勲式そのものを見たことのないルーテは、いったいどういった事をするのか解らない。
「叙勲式は、先日エフラム様がお話ししていたとおり、ルネス王城内にある大聖堂で、国王と大司祭によって行われるのだが、今回は国王が不在で、しかも王城以外の場所で行う為、代理としてエフラム様と、だれか聖職の方が大司祭の代理を務めると思う」
「なるほど。私たちは特に何かすることはあるのですか?」
「私たち叙勲者は、国王と大司祭が祝福の御言葉を述べた後、二人の前に行って跪き、二人の御手が頭に乗せられ、最後に叙勲する称号が述べられるという流れだ」
「はい、解りました」
 それから二人は早めの昼食を取り、いよいよ叙勲式の時間となった。

「これより、叙勲の儀を執り行う。叙勲を受けし両名、前に」
 礼拝堂には、主立った面々が顔を合わせていた。どうやら二人が叙勲すると言うことを今聞いたばかりの様で、中には驚きを感じている者もいた。
「カイル様とルーテ殿が叙勲とはなぁ。これでエフラム王子率いる我らの部隊は、新たな将軍が誕生したわけだ」
「しかも、ルーテ殿が賢者の叙勲を受けたと言うことは、名実共にルーテ殿が我らの軍師と言うことになるな」
「あの奇策を思いつくほどの知恵者だ。年は若いが、信頼できる軍師になると思うぞ」
 ざわざわとそんな会話が飛び交う中、重装騎士と賢者の装いをした二人が礼拝堂に現れた。同時に拍手がわき起こる。
「では、両名に祝福の御言葉を。ルネス王子エフラム殿」
 その言葉に、エフラム王子が祝福の御言葉を述べ始める。やがて大司祭の代理を務めるモルダ神官の祝福も述べられ始めた。
「では両名に新たなる称号を授ける。カイル殿、前に」
「はっ…」
 カイルが一つ前に進み、二人の前に跪く。同時にエフラム王子とモルダ神官の手が頭に乗せられ、同時に新しき称号が告げられる。
「汝カイルに、ルネス王家と大司祭の名の下に、重装騎士の称号を授ける」
 新しく述べられた称号を聞くと、再び拍手がわき起こった。
「では次にルーテ殿、前に」
「はい」
 続いてルーテが前に進み、二人の前に跪く。
「汝ルーテに、ルネス王家と大司祭の名の下に、賢者の称号を授ける」
 再び拍手がわき起こり、二人はそろって立ちあがった。新しき重装騎士と年若き賢者の誕生に、拍手喝采は最高峰に達した。二人はその光景に、深く頭を垂れた。
「これにて叙勲式を終わりとする。新しき称号を受けた二人に祝福あれ!」
 モルダ神官の声を持って、叙勲式は終わりを告げた。そのまま、夜には二人の叙勲祝いの宴会となった。
「昨日の戦勝祝いには参加しなかったからな、今日はとことんつきあって貰うぜ! なんたって、今日の主役の一人なんだからな」
 既にかなりの量の酒を飲んでいると思われる幼なじみの騎士は、けらけら笑いながら空になったグラスに酒を注いでいく。
「おいおいおい、お前飲み過ぎだぞ。明日は進軍だぞ」
「なーに堅いこといってんだよ。まだまだこれからだぞ!」
「まったく…しょうがない奴だ」
 そういいながらも、カイルは笑顔でグラスの中身を開けていく。

「ルーテ、私ターナよ。宜しくね」
 もう一人の主役は、軍の女性陣と共に杯を重ねていた。ルーテも先ほどからずっと飲んでいるが、一向にペースが落ちず、頬も飲んだ量の割には薄く染まっているだけである。
「私は稀代の天才魔導師ルーテです。宜しくお願いします」
 ターナ姫は、持ち前の気さくさで話しかけてくる。周りではヴァネッサ・アメリア・ネイミーなどが談話を交わしながら飲んでいた。ナターシャは、遠くエフラム王子達と飲んでいるゼトの隣で彼らと談話をしていた。ナターシャとゼト将軍も、カイルとルーテの関係に似ていて、いつもゼト将軍に護られていた関係から、お互いにいつしか意識し、やがて男女の関係になっていたようだ。まだ周囲にはその事実を話しては居ないが、こういった席では自然と二人は近くに寄り添っていた。
「だけど、その歳で賢者の叙勲を受けるなんて、ルーテさんは凄いですね~」
 アメリアが酔った勢いのまま何気なく話しかけてくるが、その言葉に対する返答は、彼女の口癖である。
「私、優秀ですから」
「は、はぁ…そうですね」
 迷うことなく言い切るルーテに、彼女をまだよく知らないアメリアはどう答えを返していいか解らないようであった。
「だけどルーテ。昨日の酒宴でみんなが騒いでいた事ってどうなの?」
 次にヴァネッサが聞いてくるが、ルーテ自身は昨日、カイルと二人で戦勝祝いをしていたのだから、どんな事で騒いでいたのか解らない。
「どんな騒ぎですか? 私は昨日の酒宴に居ませんでしたから、解りません」
「貴方とカイル殿が婚約したって話しよ。フォルデとコーマがあなたたちを探しに行って帰ってきたと思ったら、凄い勢いでみんなに話していたのよ」
 婚約という言葉に、今朝の光景を思い出した。そう、自分はこの導きの指輪によって、賢者の称号と彼の生涯の伴侶となる約束をしたのだ。
「ああ、その事でしたら…」
「ルーテ!!」
 突然後ろから現れたカイルに口を押さえられ、ルーテはもがもが動くだけであった。
「これから我々は、エフラム王子達に挨拶をしに行くので、失礼する」
 そういって、そのまま引きずるようにカイル達が奥へと消え去った。
「あっやし~」
「あれじゃ、事実ですって言ってるようなものじゃない…」
 初々しい二人に、女性陣は微笑ましく立ち去る二人を見送った。

「カイル…」
「ああ、すまない」
 人気の少ない場所に移り、ようやく彼の拘束を逃れたルーテは、そう言って軽く咳き込むと、カイルに向き直った。
「いきなりどうしてこんな事をしたのか、説明してください」
 彼女は怒るわけではなく、いつもの口調でそう言い放つ。
「私たちが婚約したことは、この戦いが収まるまでは二人だけの秘密だ」
「なぜですか?」
「今朝確かに約束をしたが、婚約は本来もっと正式な場で行うものなんだ。まだ君のことを母や妹に紹介もしていないのだからな」
 母や妹に紹介しないでルーテと婚約をしたことは、やはり心苦しいものがある。騎士の家に生まれさえ居なければ、こんな事に気を回さなくても良かったのだろうけど。
「…解りました。あなたがそういうなら、この話しを聞かれたときは黙秘することにします」
「ああ、すまないな…さて、エフラム王子とゼト将軍に挨拶を済ませ、早々に休もう。今日は色々あって疲れただろう」
「そうですね。明日も早くから進軍ですし」
 そういって二人はエフラム王子とゼト将軍に挨拶を交わし、早々に酒宴を後にした。

「明日また、食堂で会おう。おやすみ、ルーテ」
「待ってください」
 そういって部屋に入ろうとしたカイルを、ルーテが引き留めた。何事かと振り返ったカイルの頬に、彼女の唇が当てられる。
「なっ! なな、何を突然…」
「お休み前にキスをするのが、恋人同士の主たる行為の一つと書いてありました」
「あ、う…そ、そうか(もしかして、かなり酔っているのか?)」
「はい… その、出来れば私にもして頂けないでしょうか?」
 酔いとは別の意味で少し頬を染めながらそういうルーテの頬に、カイルも唇をあてる。カイルも何せ恋人をもったのは彼女が初めてだし、騎士としてこういった事とは無縁だったので、いささか緊張していた。
「お、おやすみ…ルーテ」
「はい、おやすみなさい」
 そういって互いの部屋に入り、そのままベットに潜り込んだ。ルーテはやはりかなり飲んでいたらしく、すぐに寝息を上げたが、カイルはしばらく先ほどの事を思い出してしまい、しばらく寝付けなかった。
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2007.07.12 06:13 | 二次小説 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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