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トワイライトの怠惰な図書室

ここは、トワイライトが書きつづった小説をメインに載せていくblogです。無断転用やお持ち帰り等は全て厳禁です!

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 ファイアーエムブレム聖魔の光石 カイル×ルーテSS第一弾。彼らの出会いは戦場の一幕。

運命が交差する時

 目の前に再び見える水城レンバール。グラド本城の前衛を担うこの城に戻ってきた理由は、我らのもう一人の主であるエイリーク様が、エフラム様を助ける為にレンバール城へ突入したという事を聞き、エイリーク様をお助けする為に舞い戻ってきたのである。
「いくぞ、カイル!フォルテ!」
「はっ!」
「了解です!」
 エフラム様のかけ声に短く答えると、脱出の際にも使用した裏門から突入した。しかし、既に戦闘の幕は切って落とされていた。到る所で怒号や剣戟が鳴り響いていた。
「くっ!遅かったか… エイリーク!」
「エフラム様、前方より騎馬隊の一個師団が突撃してきます!」
 こちらの存在に気が付いたグラド兵達が、怒号の声を上げながら突撃してきた。エフラムもその存在を確認すると、愛槍レギンレイブを握り直した。
「迎え撃つぞ! そして一刻も早くエイリークと合流する!」
『はっ!』
 前線でレギンレイブを振りかざし、次々と敵兵を打ち倒していくエフラム様を、フォルテと共に左右で支えながら、少しづつ城内へと進んでいく。そして一個師団を撃破し、さらに進軍していくその時、ふいに嫌な予感が頭を過ぎった。当たりを見回したその時、物陰から敵弓兵がエフラム様に向かって矢を放とうとしていた。
「! エフラム様!」
 呼びかけ、エフラム様の前に立とうとしたその瞬間、敵弓兵は突然炎に包まれ、絶叫を上げて倒れ伏した。
「ぎゃああああ!」
「な、なんだ…」
 敵弓兵の奥を見ると、か細い一人の女の子… いやもう女性といっても差し支えない年頃の娘がぽつんとそこに立っていた。最初はなぜこんな戦場にと思ったが、左手に持つ一冊の魔導書を見て、瞬時に納得した。どうやら彼女が間一髪の所を助けてくれた様であった。
「……」
 紫髪の彼女はこちらを一度確認すると、そのまま背を向けてスタスタと次の戦闘地帯へ歩き出した。
「あ、君!」
 自分の呼びかけに、彼女は一度立ち止まったが、再び何もなかったかの様に歩いていった。
「ええと…」
「カイル! 細かい事は後にしろ! 今は一刻も早く指揮官を倒すぞ!」
「は、申し訳ありません!」
 エフラムの叱咤に我を取り戻すと、再び敵を蹴散らしながら、玉座の間にたどり着くと、そこにはエイリーク様やゼト将軍、フランツら懐かしい面々が敵将の近衛兵と戦闘を繰り広げていた。
「! エイリーク!!」
 エフラム様の声に、レイピアを振るうエイリーク様の顔がこちらに振り返った。そしてその大きな瞳に涙を溜め、こちらに駆け寄ってきた。
「あ、兄上… ご無事だったのですね!」
「ああ、心配をかけた。お前こそ大丈夫か」
 エイリーク様の頭を撫でながら、エフラム様は気遣いの声をかけられていた。
「はい… すみません、兄上。お助けする筈が、逆にこの様な事になってしまい」
「気にするな。お前は俺を助ける為に来てくれたんだろう。それだけで十分だ」
「兄上…」
「話は後だ。今は敵を蹴散らすぞ!」
「はい!」
 ゼト将軍やフランツ以外の友軍と思われる見知った顔以外の面々が到る場所で戦闘を繰り広げていたが、そんな中、先程の紫髪の彼女の姿も見えた。しかしよく見ると、彼女の後方から敵のアーマーナイトが向かって来ていた。
「! 危ない!」
 思わず彼女に向かってそう声を上げると、手近にいた剣士と戦士がアーマーナイトの存在に気付き、彼女を守ろうと走り出したが、距離的に言っても間に合うはずもない。しかし彼女はそんな危機的状況にあるにも関わらず、せまりくるアーマーナイトを興味なさげに見据えると、右手を一体のアーマーナイトに翳して呟いた。
「炎よ」
 呟きと同時に翳した右手から火球が飛び、その火球はアーマーナイトの身体を捕らえると、猛烈な炎に変わり激しく敵兵を包み込み、やがて先程の弓兵と同じく絶叫をあげて床に倒れ伏した。残ったアーマーナイトたちもその信じがたい光景に一瞬動きが止まってしまった。
「な…」
「炎よ」
 再び繰り出される火球に、次のアーマーナイトもまた炎に飲み込まれ倒れ伏し、自分が駆けつけた頃には、すでにアーマーナイト達は黒こげになっていた。
「こ、これは… 凄いな」
「当然です。私、優秀ですから」
 いつの間にか自分の隣に彼女が佇んでいた。しかし、その視線から何を考えているのか計り知るのは難しかったが…
「あ、君は」
「もしかしてそれは、「君さん」ではなく私の事を指しているのですか?」
 話のテンポがずれてしまいそうな言葉に、やや引いてしまいそうになるが、気を取り直して話しを繋げる。
「そうだ。先程は危ない所を助けて頂き感謝する」
 その言葉に彼女は思い当たる節が無さそうな感じに首を傾げるが、やがて思いついたかの様に言葉を発した。
「あなたは?」
 ここで初めて自分が名乗っていない事に気が付いた。考えても見れば、挨拶など出来る状況ではなかったのだから、仕方がないといえば仕方がないと言えるが。
「ああ、これは失礼。私はルネス王国騎士カイルという者だ。宜しく」
「そうですか。私は稀代の天才魔導師ルーテです」
 彼女はそう言って会釈すると、何か思い立ったかの様に言葉を繋げていった。
「アーマーナイトはその装甲の厚さにより、物理的な攻撃には大きな防御力を発揮しますが、瞬発力を大きく落としてしまう事、魔法防御を大きく低下させてしまうという二点が上げられます。これらの内魔法防御の低下を回避する為に、アーマーナイトの上級職であるジェネラルは、大盾という特殊な防御壁を使用するという事があげられますが…」
 私はあっけに取られながら彼女の話しを聞いていた。「歩く辞書」、それが彼女に対して感じた第一印象であった。そんな私の思案を気にする事なく、彼女の説明は続いていた。
「…という事で、簡素な説明ではありましたが、アーマーナイトに対する最善の攻撃方法は、総合的に判断して魔法による攻撃が有効であると判断できます」
「あ、ああ… なるほど」
「今は戦闘中ですので、質問やより詳しいご説明は後程になります」
(あれで簡素なのか… 全く大したものだな…)
 彼女の説明を聞いていた間に、どうやらエフラム様が敵将を倒してしまったらしく、いつの間にか退却の準備が始まっていた。
「どうやら、退却するようですね」
「ああ、その様だな。我々も行こうか」
「はい」
 そう言って彼女の手を取り、自分の後ろに乗せて走り出した。これが、生涯を共に歩んでいく彼女との最初の出会いであった。
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2007.07.01 17:21 | 二次小説 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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