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トワイライトの怠惰な図書室

ここは、トワイライトが書きつづった小説をメインに載せていくblogです。無断転用やお持ち帰り等は全て厳禁です!

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 スターオーシャン3フェイマリ小説。当たり前の生活こそ、最も幸せな瞬間。


極々当たり前の生活

 今、私はとても充実した日々を送っています。ここに来てからというもの、本当に毎日が平穏で、その幸せを身体一杯に感じられるんです。私が望んだ日々… 私の罪科とも言える出生を知る人も無く、とても親切で心優しい近所の人たち、そして何よりも幸せなのは、心から愛する人が、何時も側に居てくれるという事。

「何を考えていたんだい?」
 暖かな日差しを窓際で心地よく感じ、そんな事をぼんやりと考えていた時、手にお揃いのマグカップをもって声をかけてくる人に振り返った。自分と同じ髪の色、そして同じ禁忌の出生を持った人。その声と微笑みを見る度に、いつも幸せという物を感じてしまう。差し出されたカップを受け取ると、自分も微笑みを浮かべる。
「ありがとう。少し、今と昔を考えていたのよ」
「そうなんだ」
 彼、フェイトはカップに注がれた飲み物を一口飲むと、同じく微笑みで返した。

 ここ、銀河連邦の手も及ばない遙か辺境の地で、二人はあの激戦の後を過ごしていた。フェイトはマリアの想いを受けるまで、自分も地球へ戻る予定であった。それを彼の幼なじみであるソフィアも当然の如くそう思っていた。しかし、旅立つ前日にマリアは自分の気持ちを全て打ち明けた。そこで初めてフェイトも共に居るべき人がソフィアではなく、彼女であったと気付いた。
 銀河級の鈍感と言われる彼でさえそう思ったのだから、少なからずフェイトの心を彼女が占めていたということではあるだろうけど、誰にも本心を明かそうとしなかった彼女の強い想いに心惹かれた。しかし、物心付いた時から想いを寄せていた幼なじみは、それを認めようとはしなかった。
「だめ! フェイトは私と一緒に地球に帰るの!」
「ソフィア…」
「だめったらだめ! 絶対にだめーっ!」
「…ごめん」
「いや! そんな言葉が聞きたいんじゃない! いや… いやだよ… いかないで、いかないで、フェイトーっ!」
 何もかもかなぐり捨てて、ソフィアは懇願した。しかし、フェイトの心は既に決まっていた。隣で成り行きを見ていたマリアの手を取り、ただ一言謝罪の言葉をかけると、そのまま泣きじゃくるソフィアに振り返りもせず、彼女の母船ディプロに向かって歩き出した。最後まで地球行きの航空ブリッジに彼女の泣き声と呼びかけが響いていた。

「本当に嬉しかったわ。あの時、あなたが私の手を取ってくれた事が…」
「マリア…」
「そして、いまこうして平穏な毎日を送っている… あなたと共に。私、すごく幸せよ」
 そういって、少しだけ大きくなってきた自分のお腹に手を当てた。新しき命が宿っている証拠。愛しい人との間に出来た、最高の贈り物。最初は望めないと思った… 禁忌の出生を持つ私が、幸せを手にする事なんて出来ないと諦めていた。だけど、いまこうして幸せを掴む事が出来た。有りの儘の全てを受け止めてくれる人と共に。私が望んだたった一つの願い、それは普通の人が送る、本当に平凡な生活。ただそれだけ。
「僕も幸せだよ。こうして君と共にいられる事… そしてこれから生まれてくる子がいるという事が」
 フェイトは彼女のお腹に耳を当てた。自分と彼女の血を引く子がこの中で育っている。特別なものなど持って無くて良い。学問も運動も普通に出来ればそれでいい。ただただ健康な子であって欲しいと願っていた。
「愛してるよ、マリア。誰でもない、君だけを…」
「私もよフェイト。誰でもない、あなただけを…」
 暖かな日差しが二人を優しく包み込んでいた。これもまた、今日の変わらない日常の一コマ。
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2007.07.01 17:10 | 二次小説 | トラックバック(-) | コメント(0) |












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